インクルーシブ・ミュージック -inclusive music-

目次

1,だれでも楽しめるのが音楽

楽しくなければ音楽じゃない!聴かせる音楽もいいけどやっぱりみんなで奏でたい!歌いたい!踊りたい!

ボブさんは今でも障がいのある方たちと音楽を楽しむのをやめられません!ものすごいパワーややさしさを感じるのです。数年前まだ東日本大震災の影響が強く残っているころ、プレハブの施設で知的障がいのある方たちの施設を学生たちと訪ねたことがありました。コンサートもラスト。キンキキッズの「フラワー」を歌いました。聞いていた皆さんもメンバーと入り乱れて歌って踊って、ある方はコンガをたたき出してリズムがわからなくなっちゃいましたし、マイクを取られてせっかく一生けん命練習したハーモニーも無駄におわってしまいましたが・・・それでいいんです!そのシーンを見ていたボブさんは不覚にも涙が出ました。そこにいたみんなが確実に一つにつながったことを実感したのでした。

さて、そんなインクルーシブ・ミュージックを実践するためには以下のポイントがあります。

① 参加者の注意をつかみ、彼らの目を生き生きと輝かせるものを見つける。どんな障がいがあっても必ず楽しめるのが音楽。

② 成功体験をサポートする。たとえば作曲、即興演奏、音楽に合わせて踊る。発表する。

③ 相性の良い楽器を選ぶ。もちろん歌うことも。

④ 相性の良い音楽を選ぶ。

⑤ ひとり一人のペースを尊重する。いきなり参加することが不安なこどももいる。自分から参加してくるのを待つ。その場にいる

  だけでも良い。

⑥ 家族や支援者、介護者の協力を得ましょう。

⑦ サブスクもいいけど生演奏がいちばん!

(参考:『すべての人に音楽を!~インクルーシブな音楽教育の手引き、英国ドレイク・ミュージックの実践より~』川崎市ブリティッシュ・カウンセル.2021.)

そうそう、こんなエピソードもありました。

施設のスタッフさんがおっしゃるにはAKB48の「ヘビーローテーション」が大好きな方がいるということ。普段はほとんど話をしない方でおとなしい目立たない方・・・。それで当日「ヘビーローテーション」を演奏すると、学生も一生懸命振り付けを覚えてくれました。曲が始まるとその方がゆっくり前に出てきたかと思うとセンターに立ってほぼ完ぺきに踊って見せてくれました。それを見たスタッフさん「あんな姿初めて見ました!」と感激しておられました。

2,コード演奏にチャレンジしよう!

正直に申し上げます。ボブさんは楽譜が読めません!

でも姉がピアノを習っていたものですから小さいころから家にピアノがあって見よう見まねで「エリーゼのために」などを弾いておりました。それからはいわゆるコードでピアノやギターを弾くことを覚えました。でもこれが良かったのです。曲を聞けば即その曲をコードで弾けるようになりました。

養護施設の指導員だったころ、子どもたちが「先生これ弾いて」とコードの載った雑誌を持ってくるとその場で弾いてとても喜ばれました。

このコード弾きができると音楽の幅が広がります。

後でジャズやポップスの専門学校にいきましたが、そこでは学長があの憧れの名門バークリー音楽大学(リスペクトする渡辺貞夫氏の出身校)の出身でバークリーのメソッドが学べるというので飛びつきましたが・・・なにせ譜面が読めないわたしはものすごく不安でした。が・・・実は譜面が読めなくてもぜんぜん大丈夫ということがわかったのです!コードなのです!)

                   HOPE Sadao Watanabe with Strings

そこでコードを学びませんか

コードがわかると次のような特典がつきます。

どんな曲でもコードがわかれば弾ける

・リトミックなど即興演奏に対応できる

・曲のコピーが可能

作・編曲がしやすい

だから、特に障がいのある子どもたちや音楽好きの障がいのある大人の方にも自ら音楽を奏でるということが可能になるのです。

3,フィンガー・タップダンス(FTD)

ボブさんが今取り組んでいるのは重症心身障害のある方も音楽を楽しむ方法はなにか、ということです。耳で聴くだけではなくリズムを感じてカラダ全体で楽しんでほしい(音楽って耳だけではなく体全体でメンタルも含めて楽しむものですよね)。そこで考えたのが相手の身体の一部(主に手の甲、腕、肩)に手を置き音楽に合わせてタップ(リズム取り)をするものです。フィンガー・タップダンス(FTD)と呼んでいます。それから聴覚障害のある方が音楽を楽しむにはどんな工夫が必要かということです。皆さんもご一緒に考えてみませんか?

4, 共振・共鳴 (レゾナンス)するってすばらしい!

短大での集中講義の準備で音楽活動(音楽療法)について改めてクライヴ・ロビンスの『音楽する人間~ノードフ・ロビンス創造的音楽療法への遥かなる旅~』を手に取ってみました。かなり昔に買ったものでしたが障がい児者を対象とした音楽療法家で著名な著者のもので特に、ついているDVD,実にたくさんのセッションが盛り込まれていて改めて気づかされることがたくさんありました。

彼らのセラピーは一貫してこども主導。自由に思うままに楽器を鳴らしたり鍵盤を叩いたり歌ったりする動作に合わせてセラピストが同じようにピアノをなぞってみたり、太鼓を叩いたり、子どもの動きを忍耐強く待ちます。重度の肢体不自由のある子どもにはそっと手を添えてタンバリンを叩いて見たり。その実に愛情あふれるセッションを見ていて私は”共振・共鳴”という言葉が浮かびました。音楽で使われるレゾナンス(resonance)。まさにこの言葉がぴったりでした。

音楽だけではなくてダンスでも同じことを感じることができます。あくまでメンバーさんが主導(少なくてもボブさんダンス教室では)。この感覚って何だろう・・・。会津からの帰り道ずっと関係ありそうなyoutube 動画をずっと聞いていました(見てはいませんよ)。

「バイオフォトン」という言葉を知りました。意識の正体はこのバイオフォトンと言われる「光」。量子物理学ではすべての物質は極限まで分解していくと原子になる、原子は原子核と電子からできていて運動していますから振動・波動を持っています。光も素粒子でできています(フォトン)ので振動していて波動を持っています。そのバイオフォトンが私たちの体内から外に放出されるそうです。周囲の人からもバイオフォトンが放出されていますから相手のフォトンと自分のフォトンが共振・共鳴し、その時に何とも言えない一体感(ワンネス感)や愛情、幸福感を感じるのでしょう。

典型的な文系人間の私がいうのもなんですが、いやあ「量子力学」っておもしろそうですね!なんとなくスピリチュアルっぽい…で片付けられそうなことも実は科学的に実証されてきているんですね。

でも理屈じゃないんですよね。やっぱり音楽って直接人の感情に働きかけるんですね。どんなに重い障がいがあったとしても。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次